
留学生活を始めてしばらく経つと、一度は「帰りたい」と感じる瞬間が訪れることがあります。初めての海外での生活が思うようにいかず、不安や孤独感に苛まれることは決して珍しいことではありません。しかし、これらを乗り越えることで多くの成長機会を得ることができるものです。
この記事では、留学中に帰りたいと思った経験を持つ学生に役立つ対処法を紹介します。帰国を検討する前にぜひ参考にしてみてください。
目次
留学中に帰りたいと思うことは珍しくない
初めての留学生活はワクワクする反面、予想外の不安や戸惑いを抱えることもあります。「帰りたい」と感じる気持ちは決して珍しいものではありません。環境の変化や文化の違い、言葉の壁に直面し、誰もが一度はこの感情を抱くでしょう。
実際、留学の初期段階では、多くの人が新しい環境に馴染めず、一時的な孤独感や不安を感じることが少なくありません。しかし、これらの感情は、異文化適応のプロセスの一部であり、それを乗り越えることで自己成長や新しい視野を広げることができるのです。
留学中に帰りたいと思ったときの具体的な対処法
帰国したいという思いに駆られたとき、どうすればその気持ちを和らげることができるのでしょうか。ここでは、具体的な対処法を紹介します。
心を落ち着かせる方法を見つける
まずは、自分の気持ちをリセットすることが大切です。感情に流される前に、心を落ち着ける方法を試しましょう。
手軽にできるリラックス方法
- 深呼吸や軽いストレッチをしてリフレッシュする
- 好きな音楽を聴いて気分を整える
- 自然の中を散歩して、頭をリセットする
- 趣味の時間を持つことで心を切り替える
メンタルケアとして効果的な習慣
- 瞑想やマインドフルネスで心を整える
- ヨガや深い呼吸を取り入れて、体と心の緊張をほぐす
- 決まった時間に実践することで、精神的な安定を習慣化できる
リラックスできる時間を日常に取り入れることで、心に余裕が生まれ、冷静に自分の気持ちと向き合えるようになります。ストレスを感じやすい留学中だからこそ、こうしたセルフケアがとても重要です。
帰りたいと思う原因を振り返ってみる
何が自分を帰国したいと思わせているのか、具体的な原因を振り返ることが解決の第一歩です。原因を理解することで、それに対する具体的な対策を考えることができます。
ここで考えられる原因をいくつか挙げてみましょう。留学後に抱える感情は様々ですが、自分が何を感じているのかを明確にすることで、対処法を見つけやすくなります。
原因①英語が分からない
英語の壁にぶつかることはほとんどの留学生が経験することです。授業や日常のコミュニケーションで思うように言葉が出てこないと、自信を失ってしまうかもしれません。
実際に使える英語を学ぶためには、日常での小さな成功体験を重ねることが鍵です。たとえば、語学交換パートナーを見つけたり、英会話クラブに参加したりすることで日常的に英語に触れる機会を増やします。オンライン授業を活用して、リスニングや発音の練習を積極的に行うことも、自信をつける一助となるでしょう。
自分の理解が進んでいることを意識できれば、自然と不安は和らぐはずです。また、自分の出来を周囲と比較せず、成長を自覚することで、学びへのモチベーションを維持しましょう。
原因②留学生活が想像と違った
留学前の期待と現実のギャップに戸惑い、帰りたいと感じることもあるでしょう。そんなとき目の前の小さな目標を一つずつ達成していくことで、自分を肯定していきましょう。
自分を肯定するための具体的なアクション
- 日記をつける
・感情を整理し、気持ちを客観視することができる
・日々の進歩や変化に気づき、自信につながる
- 写真を撮る
・異国の生活を記録することで、新しい価値や楽しみを発見できる
・後から振り返ったときにポジティブな記憶として残る
- 小さな目標を立てて達成する
・例:今日はカフェで英語で注文する、散歩で新しい道を見つける
・成功体験が積み重なり、自信と前向きな気持ちを育てられる
このような小さな工夫を通じて、今の生活に少しずつ意味や楽しさを見出していけるようになります。視点を変えることが、状況を打開する第一歩になるかもしれません。
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原因③友達ができない
言葉の壁や文化の違いによって、友達作りに苦労することは珍しくありません。孤独を感じやすくなり、「帰りたい」という気持ちを強める一因にもなります。
しかし、多くの留学生が同じように「友達を作りたい」と思っていることを忘れずに。焦らず、できることから少しずつ行動してみましょう。
友達を作るためのヒント
- 現地のイベントやサークルに積極的に参加する
・共通の趣味や話題が見つかりやすく、自然に距離が縮まる
- 学校や地域のSNSグループ・アプリを活用する
・留学生専用の掲示板やグループチャットで、共通の悩みを共有できる
- 語学クラスやカフェなど、カジュアルな場で声をかけてみる
・完璧な英語でなくてもOK。笑顔やリアクションが会話のきっかけに
- 時間をかけて信頼関係を築くことを意識する
・無理に親しくなろうとせず、自然に関係が深まるのを待つ姿勢が大切
友達作りは「すぐにできるもの」ではありません。小さな一歩を積み重ねることで、心の距離が縮まり、居心地の良い人間関係が築かれていきます。
原因④体の調子が悪い
環境や食事の変化により体調を崩すと、精神的にも不安定になりやすく、「もう帰りたい」と感じる一因になります。慣れない海外生活では、健康を維持することが最優先事項です。
特に、食事や気候、医療体制の違いに注意しながら、自分の体と丁寧に向き合いましょう。
健康を守るためのポイント
- 無理に現地の食文化に合わせすぎない
・自分の体に合った、消化しやすい食事を意識する
- 睡眠・栄養・水分をしっかり確保する
・生活リズムを整えることで、体調だけでなくメンタルも安定しやすい
- 現地の医療サービスを適切に活用する
・体調不良が続く場合は、自己判断せず医師に相談を
- 天候や気候の変化に対応する工夫をする
・曇りがちな地域では気分が沈みやすいため、室内を明るく整えたり、気分が上がる空間づくりを意識
- 体調が回復したら、軽い運動や散歩で気分転換を図る
・適度な運動はストレス解消にも効果的
健康であることが、留学生活を充実させる基盤になります。無理をせず、自分の体調としっかり向き合うことで、安心して毎日を過ごすことができるでしょう。
原因⑤ホームシック
ホームシックは、多くの留学生が最初に直面するごく自然な感情です。慣れ親しんだ人や場所が恋しくなり、不安や孤独を強く感じることもあるでしょう。
しかし、その感情を無理に否定せず、上手に付き合いながら乗り越えることで、大きな成長につながります。
ホームシックを和らげるための行動例
- 日本の家族や友人と定期的に連絡をとる
・オンライン通話やメッセージで、安心感やつながりを感じられる
- 現地で新たな「居場所」を見つける
・カフェや図書館、お気に入りの散歩道など、自分が落ち着ける空間を作る
- 現地の文化や人々に積極的に触れる
・興味を持つことで、生活に馴染みやすくなり、孤独感が軽減される
- 日本食を自炊する、または日本食レストランを訪れる
・味覚から安心感を得られ、気持ちが和らぐ
- 日本人コミュニティや文化イベントに参加する
・同じような悩みを持つ人と交流でき、精神的な支えに
ホームシックを完全になくすことは難しくても、それを緩和する工夫を日常に取り入れることで、少しずつ気持ちは前向きになります。新しい土地で自分なりの心の拠り所を見つけていくことが、留学生活を乗り越える大きな鍵になります。
原因⑥日本の食事が恋しい
日本食が恋しくなることで、帰りたいと感じることもあるでしょう。特に慣れない海外の食事に戸惑いを感じることもあります。幸いにも、現在では多くの国で日本の食材が手に入りますので、現地で手に入る食材を使って和食を作ることができます。簡単な味噌汁やおにぎりなどの基本的な和食を手作りしてみると良いでしょう。
また、他の留学生と一緒に日本料理のイベントを開催し、交流を深めることも良いリフレッシュになります。これらの活動がきっかけで新しい交流が生まれるかもしれません。食文化を通じて、異国での自分の存在感を再確認し、異文化への理解を深める良い機会になるでしょう。
帰国を検討する
どんなに努力しても問題が解決しない場合や、健康や安全に関わる重大な問題がある時は、帰国も一つの選択肢として考えてみましょう。
特に、精神的に限界を感じる場合は、早めに帰国を検討することで、自分を守る選択をすることが重要です。心身の健康が最優先であることを忘れず、必要であれば専門家の意見を仰ぐことも有効です。帰国を選択することは、決して失敗ではなく、自分を大切にする重要な判断といえます。
好きなことをしてストレス発散する
気持ちを切り替えるためには、趣味に没頭したり、自然の中で過ごしたりするなど、精神的にリフレッシュする時間を作ることが大切です。特に運動はストレス解消に非常に効果的で、心と体を同時に健全な状態に保ちやすくします。スポーツを通じて知り合う友人も、異国の地での心の支えとなるでしょう。
自分が好きなことを通じて、ストレスを発散し、日々の忙しさから解放されると、頭も気分もリフレッシュされます。意識的にリラックスする時間を取り入れ、心身のバランスを整えるための工夫をしてみましょう。
信頼できる人に相談する
孤独を感じた時は、信頼できる人に相談することが大切です。家族や友人、または現地のサポートスタッフに話を聞いてもらうことで、気持ちが軽くなることがあります。
ときには、専門のカウンセラーに相談することで、より具体的なアドバイスを得ることも可能です。相談することで、自分の考えを整理し、新たな視点を得ることができます。人とのつながりは、心の支えとなり、新たな道を見つける力を与えてくれるのです。
実際に乗り越えた人の体験談
【体験談①:言語の壁を乗り越えたケース】
名前:彩乃さん
留学先:クアラルンプール市内のインターナショナルスクール
私は日本の中学を卒業後、マレーシアのインターナショナルスクールに進学しました。最初の半年は本当に大変で、特に英語の授業が全く理解できず、何度も「もう日本に帰りたい」と泣きながら思いました。クラスメートの話すスピードについていけず、授業で発言することも怖くなり、次第に自信をなくしていきました。
そんなとき、担任の先生が私の様子に気づき、放課後に個別でサポートしてくれる時間を設けてくれました。また、学校内の「ESL(英語を母国語としない学生向けのクラス)」にも参加するよう勧められ、少しずつ「わからないことは恥ずかしくない」と思えるようになりました。
さらに、勇気を出してランチタイムに隣の席の子に話しかけることから始め、少しずつ友達もできました。
1年が経つ頃には授業も自然に理解できるようになり、英語のプレゼンテーションも自信を持ってできるように。今では「最初の苦しい時期があったからこそ、今の自分がある」と心から思えます。
【体験談②:ホームシックを克服したケース】
名前:大翔くん
留学先:ジョホールバルのインターナショナルスクール
中学2年生のときに、単身でマレーシアへ留学しました。最初の数か月は本当に辛く、特に夜になると日本の家族や友達のことを思い出して涙が止まらない日が続きました。新しい環境に慣れるどころか、「今すぐにでも帰りたい」と思う日ばかりでした。
そんなある日、現地の先生に「気持ちを話してみないか」と声をかけられました。自分の弱い部分を出すのが恥ずかしかったけれど、思い切って正直に話すと、先生は「それは普通のことだよ」と優しく言ってくれました。
また、学校で行われる週末のアクティビティ(スポーツ大会やボランティア活動)にも積極的に参加するよう勧められ、外に出る機会を増やしていきました。
それをきっかけに、現地の友達や留学生仲間と関わる時間が増え、自然と孤独感が薄れていきました。今では、異文化に飛び込んだ経験が自分を大きく成長させたと思っています。
【体験談③:授業スタイルの違いに苦戦したが乗り越えたケース】
名前:優衣さん(大学留学)
留学先:サンウェイ大学(Sunway University)
私は日本の高校を卒業後、マレーシアのサンウェイ大学に進学しました。英語で行われる授業にはある程度自信がありましたが、いざ現地の講義が始まると、内容の難しさと授業の進め方に驚きました。
マレーシアの大学では、日本よりもディスカッションやグループワーク、プレゼンテーションが非常に重視され、受け身でいると全く評価されません。最初のセメスターは、発言することに臆病になり、課題も質が足りず、落ち込む日々が続きました。
しかし、諦めたくないという思いから、学内の「ライティングセンター(課題サポートの部署)」に通ったり、ディスカッションの練習会に積極的に参加しました。また、現地の学生たちと積極的にランチを共にし、彼らの考え方や表現方法を自然と学ぶようにしました。
半年後には、グループディスカッションでも意見を言えるようになり、先生からも「成長したね」と声をかけてもらいました。
今では「日本では得られなかった、自分の意見をしっかり主張する力」がついたと感じています。困難だったけれど、マレーシア留学を選んで本当に良かったです。
【体験談④:文化の違いと自分の殻を破ったケース】
名前:翔太くん(大学留学)
留学先:モナシュ大学マレーシア校(Monash University Malaysia)
マレーシアに来る前、私は「英語さえできれば大丈夫」と思っていました。しかし実際にモナシュ大学で学び始めると、文化的な違いに大きな壁を感じました。
例えば、クラスメートは多国籍(マレーシア人、中国系、インド系、中東、アフリカなど)で、宗教や価値観もさまざま。授業中も意見の対立があったり、課題の進め方で感覚のズレを感じたりして、グループワークで衝突することもしばしばありました。
最初は「自分には合わない」「帰国したほうがいいのでは」と真剣に悩みました。
でも、ある時現地の先輩から、「違う意見を受け止めるのが留学の醍醐味だよ」とアドバイスをもらい、考え方が変わりました。それ以来、相手をジャッジするのではなく、「なぜそう思うのか」と聞く姿勢を持つよう意識しました。
その結果、異なる文化背景を持つ友人も増え、視野が大きく広がりました。
今では、単に英語力を鍛えるだけでなく「多様な価値観を理解する力」を養えたことが、留学最大の成果だったと感じています。
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サポートを受けながら充実した留学を実現しよう
留学は個人の成長に大きく寄与する貴重な経験です。しかし、それを成功させるためには、適切なサポートを受け、必要に応じて助けを求めることが重要です。特に異なる文化圏で生活する際には、孤独や不安に襲われることは避けがたいことといえます。しかし、サポートを上手に活用することで、留学生活はより充実し、安心して異文化体験を楽しむことができるようになるでしょう。