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マレーシアってどんな国?基本情報を大解剖!
「マレーシアで英語が学べるって本当?」
「マレーシアへの教育移住が気になるけれど、日本人も住みやすいのかな?」
マレーシアは留学先や移住先として日本人に大人気です。
本記事では、マレーシアがどんな国なのか、どんなところが移住先として人気なのかを徹底調査。
マレーシアの基本情報や、宗教や食文化、住環境、移住するメリットなど、人気の秘密を大解剖します。
気になる現地のマナーや安全対策についてもご紹介するので、移住先として検討している方は参考にしてください。
マレーシアの基本情報
マレーシアがどんな国か知るために、まずは基本情報を押さえておきましょう。
- 地理と気候
- 人口と宗教
- 経済と通貨
- 主要な都市
- 言語と言語事情
地理と気候
マレーシアは東南アジアの中心に位置しており、マレー半島とボルネオ島の一部にまたがっています。
インドネシアやタイと陸続きで隣接しており、カンボジアやベトナム、シンガポール、フィリピンとは海を挟んで近接しています。
13個の州と3個の連邦特別区から成り立っている国で、国土面積は約33万㎢、日本の9割弱の面積です。
国土の約60%が熱帯雨林で覆われている熱帯雨林気候ですが、カラッとしていて日本の夏のようなジメジメした不快感はありません。
一年を通して日中の平均気温は27~33℃ほどですが、朝晩は比較的涼しく過ごしやすい気候です。
人口と宗教
マレーシアは、マレー系や中国系、インド系、多数の先住民族など、約3,400万人がともに暮らしている多民族社会です。
そのため宗教の自由が認められており、国教であるイスラム教のほか、仏教やヒンドゥ教、キリスト教、道教、シーク教などさまざまな宗教が混在しています。
多種多様な宗教があることから、暦が複数存在し、生誕祭や新年を祝う祝日が一年の間に複数回あるのが特徴です。
日本の約9割の国土面積に対して日本の4分の1の人々が暮らしており、中進国の中では驚異的な速さで毎年人口増加を続けています。
また、 総人口の約半数が29歳以下の若者で構成されているのも特徴的です。
経済と通貨
2022年はコロナ禍から回復し経済活動が正常化したことから、実質GDP成長率が前年比+8.7%と22年ぶりの高成長でした。
しかし、翌2023年は輸出低迷や内需の鈍化により国内景気が減速傾向、2024年も回復のめどはたっていません。
マレーシアの通貨であるマレーシアリンギット(MYR)は、長らく「世界の中で為替の変動が安定した通貨」といわれてきました。
ですが、景気の低迷のあおりを受け、2024年2月にはアジア通貨危機以来の安値を一時更新するなど、当面は厳しい状況が続きそうです。
主要な都市
マレーシアの首都クアラルンプールは、東南アジア有数の人気観光都市です。
高速道路や鉄道、モノレールなど交通網の整備が進んでおり、高層ビルが立ち並ぶ東南アジアでトップクラスの近代都市に成長しています。
クアラルンプール単体では東京23区の4割程度の小さな都市ですが、隣接のセランゴール州8区を含めてクアラルンプール大都市圏と呼ばれています。
また、マレー半島最南端の町ジョホールバルはマレーシア第二の都市であり、シンガポールへ隣接していることから、アジアの拠点を目指して大規模開発中です。
言語と言語事情
マレーシアの公用語はマレー語ですが、中国系住民は中国語、インド系住民はタミール語、各民族の共通語として英語が使われています。
旧英国領であったため英語が日常的に使われる環境にあり、マレーシアの英語力は2023年時点でシンガポール、フィリピンに次いでアジア第3位とされています。
物価や学費が割安で治安もよいことから、英語を習得するためにマレーシアへ留学する人も多いです。
また、マレー語や中国語などもマスターできるため、多言語を習得したいと考えている人々にも人気があります。
マレーシアの文化と習慣
マレーシアの文化と習慣について4つご紹介します。
- 食文化とおすすめ料理
- 伝統的な祭りとイベント
- 宗教と多様性
- 生活習慣とマナー
食文化とおすすめ料理
マレーシアでは、国教であるイスラム教の「ハラル料理」が根付いており、身体に害があると考えられている豚肉やアルコールなどは口にすることができません。
しかし、イスラム教のほかにもさまざまな宗教や文化を持つ人々がともに暮らしているため、マレーシアの料理はバラエティ豊富です。
マレーシアの4大グルメといえば、「マレー料理」「インド料理」「中華料理」「ニョニャ料理」です。
ハーブやスパイスを使った料理が多いですが、日本人の口にも馴染むものが多いといわれています。
マレーシアは多くの民族が暮らしている多民族国家であるため、食文化においても相互に影響を与えながら独自の発展を続けています。
伝統的な祭りとイベント
さまざまなルーツを持つ民族が暮らすマレーシアでは、お祭りとイベントが毎月数多く催されています。
タイプサム(1月下旬〜2月上旬) | ・クアラルンプール周辺に住むタミール人がおこなうヒンドゥ教のお祭り
・信者が体の一部、頬や舌にピアスをする |
旧正月(2月) | ・マレーシア最大の中国のお祭り
・赤い提灯を飾り、街中で獅子舞や龍踊りを見ることができる |
ウェサック・デー(5月) | ・仏陀の誕生日を祝う、マレーシア最大の仏教のお祭り
・国中の仏教徒がお寺に行き、礼拝に参加する |
イード/ハリラヤ・エイディルフィトリ(6月) | ・イスラム教最大のお祭り
・宗教の専門家が、毎年開催時期を決定する |
独立記念日/建国記念日(8月31日) | 1957年8月31日に英国からの独立を宣言した日を祝うお祭り |
ディーパヴァリ(11月) | ヒンドゥ教のお祭りだが、人種や宗教に関係なく参加できる |
親日国であるマレーシアでは、「盆踊り」などの日本のお祭りやイベントも大人気です。
宗教と多様性
マレーシアには、イスラム教や仏教、ヒンドゥ教、キリスト教などさまざまな宗教が根付いています。
しかし、それぞれの民族の文化や宗教を尊重し合う風習から、宗教間の争いごとなどがない治安のよい国です。
イスラム国家ですが、信仰する信者のほとんどが穏健派であるため、過激派によるテロなどもほとんど起こりません。
イスラム教徒はラマダンとよばれる断食の季節になると、1ヶ月のあいだ日の出から日没まで飲食や喫煙ができなくなります。
現地に暮らす他宗教の信者はラマダンを敬い、断食明けの祭典「ハリラヤ」では宗教の垣根を超えて皆で祝福します。
生活習慣とマナー
マレーシアの時間感覚は全体的にゆっくりしているため、交通機関が数時間単位で遅れるのは日常的。
ホテルやレストランなどの予約が入っていなかったということも珍しくありません。
また、イスラム教が主体となっているマレーシアでは、左手は不浄なものと考えられているため、握手などはすべて右手でおこないます。
しかし、初対面の男性から女性に握手を求めるのはマナー違反なので注意しましょう。
寺院を訪問する際には、ノースリーブやミニスカートなど露出の高い服装や乱れた服装は避け、帽子やサングラスなどは外すのがマナーです。
そのほか、脚を組む、腰に手を当てる、人差し指で指さすなどの行為や、子どもの頭をなでることは忌み嫌われるため注意が必要です。
マレーシア生活の特徴
マレーシアで生活するうえで知っておきたい情報をご紹介します。
- 住宅事情と住環境
- 交通手段と移動方法
- 教育制度と学校選び
- 医療事情と健康管理
- 買い物事情とおすすめエリア
住宅事情と住環境
マレーシアのコンドミニアムには、プール、ジム、公園、売店などが併設されているのが一般的です。
家賃が比較的安いエリアはプールやジムがあるコンドミニアムでも、月々5万~6万円ほどで住むことができます。
マレーシアで最も日本人が多く住むエリアはモントキアラです。
クアラルンプール市内には多数のインターナショナルスクールがあるため、教育移住をする場合は子どもの学校を決めてから住む場所を選びましょう。
また、コンドミニアムには24時間警備員が常駐しているため、安全面にも配慮されています。
交通手段と移動方法
クアラルンプール市内の主な交通手段は以下の5つです。
- 電車(高架鉄道、MRT、モノレール)
- 鉄道(KTMコミューター)
- 市内バス、観光地を巡回する2階建てバス、無料循環バス
- タクシー
- Grab(グラブ)
マレーシアの電車やバスは遅れることがよくあるため、マイカーやタクシーを活用する人が多いといわれています。
KLセントラル駅やバスターミナルにあるタクシー乗り場は、事前にカウンターで購入したクーポンで支払うシステムです。
しかし、流しているタクシーはぼったくりが多いため、最近ではGrabという一般のドライバーがマイカーを使って乗客を目的地まで乗せる配車アプリが人気になっています。
Grabはアプリで行き先を登録した時点で料金が決まるため、追加料金を請求される心配がなく安心です。
教育制度と学校選び
マレーシア国内には180校以上のインターナショナルスクールがあり、日本より授業料が安い学校も多くあります。
インターナショナルスクールは幼稚園からあり、小学生で英語を含めた3ヶ国語以上を話せるようになる子も少なくありません。
日本人学校は、クアラルンプール・コタキナバル・ジョホールバル・ペナンなどにあります。
子どもに国際感覚を身につけさせたいご家庭にとって、多民族国家であるマレーシアは教育移住先としてとても魅力的な場所です。
医療事情と健康管理
マレーシアには、日本のような国民健康保険制度がないため、全額自己負担か民間の医療保険に加入する必要があります。
公立の総合病院、クリニックなどがありますが、日本人が使いやすいのは医療水準が高く日本語も通じる外国人向けの私立病院です。
マレーシアは薬局で買える薬の種類が多いため、軽い体調不良であれば薬局を活用するのもおすすめです。
医療費が自己負担になるため、留学や移住を考えている方は渡航前に虫歯治療などを済ませておくようにしましょう。
買い物事情とおすすめエリア
マレーシアのスーパーは巨大なショッピングモールに入っていることが多く、食品や日用品、衣料品、化粧品などなんでも手に入ります。
スーパーでは地元の食材や調味料のほかに、さまざまな国の食品も幅広く取り扱われているのが特徴です。
地元の食材は安価ですが、日本食は日本で購入する場合に比べて割高になります。
クアラルンプールのブキッ・ビンタンは商業施設が最も多いエリアのため、日本人におすすめです。
「パビリオン」には、日本をテーマにした商店街エリアがあり、ダイソーや無印良品などが出店しています。
また、「三井ららぽーとブキッ・ビンタンシティセンター」には、ニトリやノジマなどが出店しているため、家具や家電はこちらで揃えることができます。
マレーシア移住のメリット
マレーシアに移住するメリットを4つご紹介します。
- コストパフォーマンスの良さ
- 多様なコミュニティーの存在
- 豊かな自然とレジャー環境
- 充実したインフラと生活環境
コストパフォーマンスの良さ
マレーシアは、東南アジアの中でもインフラが整っており生活水準が高い国ですが、物価水準が日本より格段に安いのが魅力です。
ものによりバラつきはありますが、日本の2分の1~3分の1程度の物価水準といわれています。
光熱費、交通費、医療費、教育費、娯楽費など生活コストが安く、住民税もありません。
食事に関しても安くておいしいお店が数多く揃っており、生活費は日本の東京で暮らす場合の約半分に抑えられます。
多様なコミュニティーの存在
多民族国家であるマレーシアには多様なコミュニティが存在しており、伝統的に家族やコミュニティを重視する人が多いのが特徴です。
多数のコミュニティがありつつも、異文化への受容度が高く、お互いの文化や宗教への理解や寛容の心、尊敬の念を持つ人が多くいます。
また、マレーシアでは子どもを社会の中心と考えているため、子どもに優しい人が多いのが魅力です。
日本人コミュニティもあるため、マレーシアにいながらも日本の文化・行事に参加することが可能です。
豊かな自然とレジャー環境
マレーシアには、熱帯雨林、各宗教の聖地とされる山々、多数の魅力的な島々を囲むきれいな海と白い砂浜など、自然を満喫できる観光地がたくさんあります。
ボルネオ島のコタキナバルから15分ほどボートに乗れば、サピ島などの美しい離島にいくこともできます。
また、ランカウイ島はさまざまな美しいビーチと、山々に囲まれた手付かずの自然が残るリゾート地です。
標高708mのランカウイ山脈を登るケーブルカー・スカイキャブに乗れば、ランカウイ島の景色や周辺の島々を望むことができます。
充実したインフラと生活環境
マレーシアは高速道路や鉄道、幹線道路などの交通網が整備されているため、車や鉄道による都市間の移動がしやすいのが特徴です。
「イスカンダル・マレーシア計画」という大規模都市計画のもと、道路交通網の整備やシンガポールのMRT延伸計画があるなど、さらに都市基盤の整備が進められています。
また、インターネットや電力、水の供給状況もよいため、日本人も不自由なく生活できる環境といえます。
レストランやショッピングモールなど公共施設内のWi-Fiも充実しているため、外出先でもインターネットを楽しむことが可能です。
マレーシア旅行の魅力
マレーシアを観光で訪れる際の魅力について5つご紹介します。
- 観光名所とおすすめスポット
- 現地でのアクティビティ
- ベストシーズンと気候
- 旅行時の注意点と安全対策
- 現地での楽しみ方
観光名所とおすすめスポット
マレーシアを訪れる際に外せないスポットは、クアラルンプールにある地上88階建ての「ペトロナス・ツインタワー」です。
クアラルンプールを象徴するランドマークであり、ショッピングモールやフードコート、レストラン街などがあります。
また、イスラム教の寺院であるモスクも見ごたえがあり、「ピンクモスク」「ブルーモスク」「クリスタル・モスク」などがおすすめです。
2008年7月にユネスコ世界文化遺産に登録されたペナンのジョージタウンは、街のいたるところにあるユニークな壁画アートが有名です。
現地でのアクティビティ
コタキナバルは世界遺産のキナバル公園や、ボルネオ島の固有種のテングザルがいるジャングルクルーズも人気があります。
ランカウイ島では、99以上の島があるとされるランカウイ群島をジェットスキーで巡るツアーが大人気です。
また、ランカウイのマングローブ林を小さなボートで探索し、現地に生息する生物ついて学べるツアーもあります。
カワウソやイルカ、ワシ、運が良ければユニークな陸歩魚を見ることができます。
ベストシーズンと気候
マレー半島とボルネオ島からなるマレーシアは地域によって気候が異なります。
クアラルンプールは1~2月と5~9月が雨の少ない時期ですが、そのほかの時期もスコールが増える程度なので、一年中ベストシーズンといわれています。
ビーチリゾートのペナン島やランカウイ島は、ビーチアクティビティが楽しめる10~3月頃がベストシーズンです。
ですが、雨季の4~9月頃も気温が下がり過ごしやすい時期に入るため、ビーチで泳ぐ予定がない方はこの時期でも楽しめます。
熱帯ジャングルのコタキナバルは、雨が少ない1~4月頃がベストシーズンです。
世界遺産の街マラッカのベストシーズンは、雨が少ない1~2月と5~9月頃がおすすめですが、それ以外の時期もモンスーンに気をつけていれば観光は楽しめます。
旅行時の注意点と安全対策
マレーシアに旅行する際には、パスポートの有効期限が帰国予定日より6ヶ月以上残っている必要があるため、期限が少ない方はご注意ください。
熱帯地域のマレーシアは一年を通して高温多湿の気候であり、日中は30度以上になることも多々あります。
帽子や涼しい服装、こまめに水分補給をおこなうなどして熱中症対策をおこなってください。
また、熱帯地域のためマラリアなどの感染症にも注意する必要があります。
比較的治安のよい国ですが、観光地やショッピングモールなどの人混みではスリやひったくりなどの犯罪が多く発生しています。
貴重品は肌身離さず持ち歩き、必要ないものはホテルのセーフティボックスに置いておくことをおすすめします。
現地での楽しみ方
近代都市の街並みや異文化がおりなす独特の雰囲気、美しい大自然など見どころがたっぷりのマレーシア。
治安もよく優しい人が多い国のため、日本人も過ごしやすいと感じる方が多く、観光都市としても移住先としても人気があります。
とてもゆったりとした時間が流れているため、列車やバスが遅れることもしばしばあります。
時間に正確な人が多い日本人は戸惑ってしまう場面もありますが、それも楽しむ心構えでいくのがおすすめです。
マレーシア流にならって、時間に追われずゆったりスローペースで楽しみましょう。